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悠惺の最初のブログは長野県の農家に生まれた塩沢義国さんの話を。
ハチは木の皮をかじり、唾液と混ぜて巣作りの材料にする。
ナラやクヌギの林が近いと巣は白っぽく、スギであれば赤っぽくなる。
私は赤いほうが好きなので、知り合いの製材会社に端材を頼んでおいて、毎年もらいに行っている。
完成形を思い描きながら細い鉄筋を曲げ、そこに巣を差し込んでいく。
針金で止めることもある。巣をつなげると、ハチは数日で隙間を埋めてくれる。
ただ、そのままではどうしてもでこぼこができるので別の巣を人間が切り貼りし、できるだけ表面をならす。おおよそ2カ月で完成する。
作業を始めると巣が傷つくので、もちろんハチは大騒ぎだ。
ひとつの巣には約500匹のスズメバチが住む。このところ20個前後の巣を使ったものが多いので、計1万匹が私を目がけて襲いかかってくることになる。
作業着を重ね着した上から専用の防護服を着て、攻撃に備える。作業が終わると汗まみれ。
近くで防護服を脱いでしまい、刺されたことも1度や2度ではない。
刺されると毒を爪で絞り出し、患部を冷やす。私は慣れているが、みなさんは命にかかわるので、刺されたらすぐに病院に駆け込んでほしい。
スズメバチは害虫と見なされがちだが、野菜につく虫を食べてくれる益虫でもある。
巣に近づきすぎたり、攻撃したりしなければ、ハチのほうから刺してくることはない。
実際、私の作業場の近くで働いている工場の社員や、近所の人が刺されたことは一度もない。
スズメバチは女王蜂が1匹で越冬し、春にたくさんのハチを産んで巣作りをする。
私も一人で会社を立ち上げたので、なんとなく自分と重ね合わせてしまう。
オブジェを広く見てもらおうと、1995年に私設博物館の「蜂天国」を長野県東御市に開き、今春から入場無料にした。
これからもハチの魅力を伝えていきたい。